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日本酒の色が白い仕組み

日本酒は製造工程の最終段階でもろみ(醪)を搾り、酒を取り出します。
搾った酒をろ過し、約60℃の熱で殺菌処理し、貯蔵熟成させ、瓶詰めされますが、出来上がった酒は、ほとんど色が付いていなくて、無色透明に近い状態、又は無色透明です。
日本酒は基本的に米と米麹が原料です。いずれも白い色をしています。

最終工程で出来上がったろ過する前のもろみは白く、これを布の袋に入れて搾った液体が完成品となります。袋の中に残るのが酒粕です。
にごり酒は目の粗い布でもろみを濾して(ろ過)造ります。従って、白いもろみが混ざっています。米の粒子や酵母がそのまま残っています。
これがにごり酒が白い理由です。
にごり酒は原酒と言われていますが、必ずしも原酒とは限りません。
水で割ってアルコール度数を下げて飲みやすくしているものもありますが通常はアルコール度数が清酒より5−6%高くなります。

にごり酒は多くの蔵元が作っていて、それだけ、需要が増していて、ちょっとしたブームとなっています。
もう1つ活性清酒という日本酒があります。これも白い色をしてます。
もろみを目の粗い布で濾して、そのままのものが活性清酒です。
この後、火入れしたものがにごり酒です。

火が入っているかいないかの違いですが、活性清酒は瓶詰めされてもまだ発酵が進んでいます。従って常温では発酵して炭酸ガスが発生しますので、冷蔵庫に保管するなど、注意が必要です。
活性清酒は搾ったばかりの新酒のさわやかな香りと醗酵過程でのガス(炭酸ガス)が残っていて、飲むとガスが口の中ではじけ、風味と調和の取れたみずみずしい美味しさです。
和製シャンパンとも呼ばれています。
常温か軽く冷やして飲みます。
さっぱりした後味は食中酒として飲まれる場合が多い。

余談ですが、黒いにごり酒があります。真っ黒です。
10ミクロン以下の細かい食用の竹炭パウダーを混ぜたものです。
炭は無味無臭で、酒の風味には影響しません。見た目が黒いだけです。
何故竹炭を混ぜるかというと、胃腸が炭効果で綺麗になるのです。
秋田県山本郡の蔵元で作られています。

他にも白い日本酒の仲間としてどぶろくがあります。
日本酒の原型で炊いた米に米麹や酒粕に残る酵母などを加えて醗酵させたものです。
どぶろくは酒税法に基づく酒類ですので、許可なく作ることは禁止されています。
しかし簡単な道具を使って家庭でも造りことは可能です。

どぶろく特区だけはどぶろくの製造が許可されています。
どぶろく特区とは豊穣祈願などの宗教行事や地域特産として、地域振興の関係から構造改革特別地域(どぶろく特区)が設けられ、地域内での飲食店、民宿等で、その場で消費される場合に限り、製造販売が許可されています。

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